漫画アニメ規制問題~オタクだから気づいた山田太郎議員の危険性~

“表現規制反対派”山田太郎議員の欺瞞を暴く。

やばすぎるMANGAナショナルセンター(メディア芸術ナショナルセンター)。国によるオタクカルチャーの管理統制が狙い

MANGAナショナルセンター(メディア芸術ナショナルセンター)とは、もともと麻生太郎氏が2009年頃にぶち上げたが「国営マンガ喫茶」などと揶揄され、猛烈な批判を浴びた末に撤回に追い込まれた、アレである。

この構想が2014年末に設立されたMANGA議連のメインテーマとして「なぜか」復活していた。

同年の児ポ法改正法の決着により同法による漫画やアニメの規制がほぼ不可能となったので、オタクカルチャーを管理統制(規制)する新たな手段として浮上したのだと思う。

山田氏はMANGA議連に入ると異様なまでの情熱でもってこの構想に取り組み始めた。

 

 

              目次

 

メディア芸術ナショナルセンター(MANGAナショナルセンター)とは何か?山田太郎議員の説明

まずは山田太郎議員の説明を見てみることにする。

www.youtube.com

44:00過ぎから。例によって要点だけ書き出す。

・漫画アニメゲームを保存保管する施設。

国立国会図書館支部機能とする。国会図書館ならデジタル複製が可能。

・アニメのセル画、動画取って置けないので国が一括管理して利活用する

・漫画は転売、古本として流通できる。

・アニメはDVDになってない限り見ようと思っても見たいときに見られない。

・10年前の作品、DVDになってなかったらテレビ局が再放送してくれない限り見る手段がない(坂井元秘書。山田氏も相槌)。

・アニメ漫画ゲームは国が管理してマネジメントして再利用できるようにしておく必要がある。

・アニメーターの待遇改善にも大きな効果がある。

超党派で5年かけてやってきた。政争の具にされて怒り狂っている。

 

以下の記事でも触れられている。

blogos.com

メディア芸術ナショナルセンター(MANGAナショナルセンター)構想を検証する。

アニメビジネスへのタダ乗り(フリーライド)

このMANGAナショナルセンター構想、愛好家の一人として身の毛のよだつような内容である。

 アニメの動画や原画資料等は社外秘であるはずだが、制作会社などとの調整はできているのだろうか?

そして注目すべきはコンテンツ作品そのものの扱いだ。

 

 先日山田太郎議員が子ども食堂を支持するようなツイートをして炎上した。

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子ども食堂とは民間のボランティアが自腹で貧困の子供のために食事を提供する運動だ。そこへ、国会議員である山田氏が関与しようとしてきたことでブチ切れる人が続出した。

失政のしわ寄せでそのような運動が行われてるのに、国として関わろうとしている、まさに「タダ乗り(フリーライド)」だと。

オタクカルチャー、アニメ文化も民間が育ててきた文化だ。むしろ国は児童ポルノ法等で圧力をかけ、その存立さえも脅かしてきた。

・アニメはDVDになってない限り見ようと思っても見たいときに見られない。

・10年前の作品、DVDになってなかったらテレビ局が再放送してくれない限り見る手段がない(坂井元秘書。山田氏も相槌)。

・アニメ漫画ゲームは国が管理してマネジメントして再利用できるようにしておく必要がある。

(上の山田氏配信動画より)

 国立国会図書館を拠点に日本のアニメを全国、全世界に配信し、民間のアニメビジネスを乗っ取ろうとしているようにしか見えない。

国立国会図書館の反対を押し切り強引に国会図書館支部機能とさせる。

ameblo.jp

 

山田議員は国立国会図書館著作権フリーという仕組みを使いたいがためにMANGAナショナルセンターを強引に国会図書館に食い込ませようとしている。

そのために、予算をつけてまで懐柔しようとしているのか?

taroyamada.jp

 もともと国会図書館に作品をデジタル管理、利活用する役割は与えられてない。

 書籍のデジタル化は、紙という媒体が汚損・破損しやすく嵩張りやすいという特性を持つがゆえの特別な措置にすぎない。

国立国会図書館は作家の直筆原稿を保管する場所でもない。国立国会図書館とMANGAナショナルセンターなるものは、機能も業務内容も全く違うものである。
国立国会図書館がMANGAナショナルセンターに反対したのも当然だ。

山田議員は法律の趣旨を捻じ曲げ、なし崩し的に本来の趣旨を超えたデジタル管理・利活用を推し進めようとしている。

 

出版業界ともトラブル。山田太郎議員、配信に反対する業界を事実上のテロリスト呼ばわり?

図書館の配信自体はMANGAナショナルセンターを進めていく過程で生じた副次的な話ではあるが、「MANGAナショナルセンターを通じたコンテンツ映像の配信」の正当化、国立国会図書館支部機能とすることとの整合性を保つ意味でも山田議員としてもそれを是非進めておかなければ、ということになったのだろう。

 

出版業界などは当然反発した。

www.asahi.com

www.sankei.com

 

 これに対し、怒り狂う山田氏・・

www.youtube.com

  あまりにもひどい内容なのでこの部分だけ書き起こした。35:40あたりから。

・・・実際にこれ断言、なんかあたかもそう決まってみんなが不安の中にあるということを、何ていうの煽り立てるような記事が本当にいいのかどうか。
ていうのはね、一方でメリットもすごくあるわけでしょう。だって今回どうすんのいったい。
コロナ禍がWithコロナで続いちゃった場合に、まったくもって普通の人どころか研究者等も含めてみんなそうだけど、
いわゆる書物が手に入んないんだよ、絶版のものとか
本屋で売ってるものは本屋で買えばいいですよ
電子書籍で買えるものはネットで買えばいいですよ。
だけどそうじゃない過去の資料だとかなんとかをこれからどうするかって議論ですよ
だって困るでしょ。そのことが書いてない・・

あのちょっとだけちょろっと便利にはなるわ(?)みたいなことで言ってるんだけどもちょっと中身をちゃんとぼくは取材をしたうえで
書いてもらいたいなあっていうふうにおもいます。
こういうことによって本当に困ってる人たちの利便性とか法改正の方向を丸ごと潰しかねない、そう
それこそハッシュタグでさあ、なに図書館悪玉とかさあ民業圧迫とかさあ
実は僕のところにもさ山田太郎氏が進めている話らしいとかいってさあ
民業圧迫とかいってさあ来た人たちが、ちょっと待てよ
本当にねえこういうことで世の中とか社会を破壊すると思いますよ、はっきりいって
というふうにちょっと少しこの記事に対しては書いてる記者知ってますけど怒りを覚えています
もしあれだったら私担当者ですから自民党の中で
部会に言うってくらいなら来てください。
そんなことこの記事に書かせて言わせるぐらいだったら堂々と
実際今日だって取材来ないでしょう担当者。
・・(山田太郎はエンジニア 35:40分頃~)

図書館の利便性を高めると同時に、著作者の収入も守らないといけないなどと山田氏は配慮をしているかのような「フリ」をしているが、そもそも両者は両立しない。

まず第一に絶対的に守られなければいけないのは出版社や著作者の権利だ。

これまで、配信など論外、図書館の厳しい管理のもとでコピーなどの制限をおこなうといったギリギリのところで出版ビジネスと公共図書館というシステムが共存してきた。(利用者がアクセスできなくて困っていると)「新型コロナ」を口実に、どさくさに紛れなし崩し的に従来の慣行を容易に崩していいものではない。

権利を持つ出版業界がいかなる形であれ配信に反対するのは当然だ。なぜそれが「世の中を破壊する(テロ)行為」になるのだろうか? 全く意味不明だ。この人物は自分に反対する者はすべてテロリストなのだろうか? そもそも国の「フリーライド」こそが問題だろうに。

この人物は「新型コロナ」をダシに使い、大声でわめき散らし記者や出版業界を威嚇すれば自分のわがままを通せると思っているのだろうか?

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 番組のアーカイブ化には放送業界等が反対してきた。

www.animeanime.biz

mainichi.jp

MANGAナショナルセンターとは別に、テレビ番組のアーカイブ化なども政権与党によって検討されており、その都度業界は「検閲・表現の萎縮につながる」「映像販売事業に影響が出かねない」として反発してきた。

 

アニメ業界やクリエイターとの話し合いもなされぬまま陰でコソコソ進められている

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 アニメ・漫画界の巨匠安彦良和氏も批判的。

 

一般のテレビ放送よりもコンテンツの販売に依存し、かつ表現規制の矢面に立たされてきたアニメ業界であればなおさら、MANGAナショナルセンターのようなものは受け入れがたいものだろう。

 反発を予想してか、陰で彼らの頭越しに話が進められており、業界関係者とじっくり話し合いコンセンサスを得ている気配はまるでない。

ただアリバイ的に山田氏が自分の息のかかった一部クリエイターや団体に賛同させ取り繕っているだけだ。

 

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MANGAナショナルセンターに賛同してる団体一覧。

小さくて見づらいが、〇〇漫画館、〇〇ミュージアムといった”フリーライダー”だけで、権利者サイドがまったく見当たらない。かなりいびつなものだ。

 

 MANGA議連は日本会議系議員、規制推進派の巣窟

 MANGA議連は日本会議国会議員懇談会会長(日本会議系議員のトップ)を務めたこともあり、また子供向けポルノコミック等対策議員懇話会会長も以前務めるなど漫画規制推進派として悪名高い麻生太郎氏が最高顧問を務めており、また日本会議国会議員懇談会現会長の古屋圭司議員が会長を務めているのをはじめとして、日本会議色の非常に強い組織である。これまでマンガやアニメを敵視し規制の急先鋒となってきた組織のひとつだ。

座間の連続殺人事件をまっさきにアニメのせいだと罵った山本一太元議員(現在は群馬県知事となり転出)、ちびまる子ちゃんの映画のキャッチフレーズを叩いてきた赤池誠章議員など、記憶されてる方もいるだろう。そうした議員が中心になって活動している。

アリバイ的に少数の野党議員を加え、「超党派」を装ってはいるが。

 そのMANGA議連が血眼になって成立させようとしているのがメディア芸術ナショナルセンター法案だ。何を目的にしてるのか、容易に想像がつくだろう。

 検閲機関としてのメディア芸術ナショナルセンター~規制推進勢力の先導役に成り下がった山田太郎議員

もともと山田議員自身がこの構想に否定的であった。

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山田太郎表現の自由の守り方」プロローグ11ページより

山田氏のサイトでも「規制議連」とはっきり述べている。

MANGAナショナルセンターなどというものはもともと誰も望んでおらず、”規制推進勢力”MANGA議連のみが前のめりになっている構想である。オタクカルチャーへの国家の影響力を拡大し、管理統制をはかるのが目的であることは明白だ。

www.sankei.com

政府寄りで漫画アニメ批判の急先鋒の産経新聞の記事。MANGAナショナルセンターに執念を燃やすMANGA”規制”議連。「閲覧の強化」という表現は不自然だ。本当は「検閲の強化」と書きたかったのではないか。

 

vpoint.jp

 こちらの記事には、児童ポルノ漫画作品は国としては認めていない」ことを明確にするためにメディア芸術ナショナルセンター法案が提出される運びとなった、と一層露骨に書かれている。記者は素人っぽいしきちんと取材して書いたものではないのだろうが、まさに自民党の規制推進派を代弁したものだろう。

 

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非協力的な野党にキレる山田氏。

全く大義のない法案なのだから反対するのが当然だろうに。

それにしても山田氏のこの法案にかける執念は異常だ。

山田太郎氏はMANGA議連に入った途端この構想に血道を上げるようになった。

MANGA議連の重鎮にノルマとして言い渡されたのだろうか?

 

とんでもなく危険な構想であり、絶対に阻止しなくてはならない

いずれにしてもこの構想、民間のアニメビジネスの乗っ取りと、オタクカルチャーの管理コントロールを目指すという、2重の意味で非常に危険なものである。何としても阻止しなければならない。