漫画アニメ規制問題~“表現規制反対派”山田太郎議員の欺瞞~

“表現規制反対派”山田太郎議員の欺瞞を暴く。

財務省への忖度か、与党自民党への手土産か。書籍の軽減税率を葬った山田太郎氏

自民の公認を得るための足掛かりとするためだったのか、それとも後々の自身の活動のために財務省に顔を売っておきたかったのだろうか。
出版業界が消費税率引き上げの際の書籍の軽減税率適用を求めたが、山田氏がこれを妨害した。

一般書籍の軽減税率(8%)はともかく、アダルトコンテンツ等の”有害図書”まで軽減税率は認められないということになり、最初は国が“有害図書”とそれ以外とを仕分けるみたいな話だったが、それでは検閲につながるということで、それを回避するため出版業界が自主的に両者を仕分ける仕組みをつくるという方向で話が進んだ。

ところが、山田氏が必死にこれを潰そうと絡んできた(2016年初頭)。自主規制(自主検閲)を招きかねないという理屈で。

言うまでもないことだが、軽減税率を認めさせることこそが業界、クリエイター、愛好家、つまりはオタクカルチャーの利益にかなうことである。一方政治や官の側、とりわけ財務省は少しでも税収を増やしたいので、当然出版物の軽減税率を阻止したいと考えている。山田氏がそれに助け舟を出した格好だ。

10%と8%の書籍の線引きが微妙であるなどクリアすべき課題はあったが、自主規制云々を気に掛けるのであればそれこそ山田氏は業界やクリエイターともじっくり話し合い知恵を出し合うべきだった。

 

ところが山田氏はなぜかハナから軽減税率阻止ありきで、利害関係者である出版業界などと一切話し合うこともなく、彼らの頭越しに軽減税率適用除外という方向で動いていた。

冒頭に述べたような何らかの思惑が氏個人にあったのではと勘繰らざるを得ない(ちなみに、MANGA議連の最高顧問にして財務大臣は規制反対派の間で規制推進の急先鋒として悪名高いあの麻生太郎氏だ。麻生氏の心証を良くしておきたかったのか、あるいはすでに主従関係が出来上がっていたのか・・)。

山田氏は「租税法律主義」なる方便を持ち出した。民間である業界が勝手に税率を決めるのはそれに反するというものである。しかし、それは業界があくまでただ”有害図書”を仮仕分けするというような話に過ぎず、彼らに行政並みの強権を付与するという話ではない。

たとえば事業者が経費を申告したとしてもそれがすべて通ることはない。経費として認める認めないの権限は税務署が有する。

有害図書”も同じだ。業界がこれは”有害図書”、これは”非有害図書”と「申告」するにすぎない。最終的な判断は国税庁に委ねられる。租税法律主義に反するような話ではない。

そもそもこの「租税法律主義」なることば、山田氏のオリジナルでなく参院法制局が入れ知恵したものらしい。財務省も当然絡んでいるだろう。

blogos.com

財務省も税収増やそうと躍起なのだから法律ができる前はいろいろ言うだろうが、実際に運用が始まってしまえば大して問題になるようなことでもなかったのではないか。仮に有害図書として引っかかるものがあったとしても年数冊であり、税収には影響を与えない。財務省国税庁もいちいち有害図書の発見に血眼になることもないだろう。

最終的にはアダルトショップで買うようなもともと大人向けに描かれるものは10%、書店で買うような一般書籍は8%と常識的な範囲でおのずと住み分けができ落ち着いただろう。ちょっとエロい表現、暴力表現があるから軽減税率除外だということにはまずならない。

 食品にだって「有害」なものはいくらでもある。また、持ち帰るのとイートインでは税率が異なって混乱するなどと言われたが(財務省などがそうした情報をコントロールしてたのだろう)、そのようなことなど意にも介せずさっさと食料品軽減税率を勝ち取った公明党と、漫画アニメ文化を守るというふうを装いつつ漫画ラノベ等含む書籍の軽減税率を葬った山田太郎議員、どちらが国民や利害関係者のために働いたと言えるだろうか。

軽減税率適用除外は漫画やラノベ文化、さらにはアニメ文化にとっても大打撃である(漫画やラノベはアニメの原作となり、また出版業界は製作委員会に加わりアニメ製作に資金を供給している)。税の引き上げはそれらの流通や創作活動の制約要因となる。

otapol.com

前回税率引き上げ2%(2ポイント)と低かったことに加え、大ヒット作が出たことや新型コロナの影響による巣ごもり消費拡大等が幸いしてか今のところ大きな影響は出てないいようだ。だが今後税率が15%、20%・・と引き上げられたときオタクカルチャーは壊滅的な打撃を受ける可能性がある。

 

f:id:nico_pako2:20200703000247j:plain

 

 何が「非常に強敵」なんだろうか。与党自民党財務省を後ろ盾に軽減税率除外を主張する山田氏と軽減税率適用を求める出版業界とでは勝負は最初からついていた。軽減税率を葬ることほど楽な活動もない。

山田氏、軽減税率を求める出版業界をオタクカルチャーや表現の自由の敵呼ばわりまではじめたが、敵はある種の表現を有害視する(そして今山田氏が属している)自民党ではないのか。出版業界はオタクカルチャーの担い手である。軽減税率を葬り自民党に肩入れした山田氏こそがオタクカルチャーの敵だろう。 

有害図書”まで含めた出版物全般の軽減税率を実現したのなら「実績」として誇れるものだろう。

しかし、

「軽減税率を阻止することで出版物がことごとく高率の一般税率となり、“有害図書”が差別されることはなくなりました。つらい戦いでしたが体を張って表現の自由を守り通しました。」って、よくこんな詭弁を弄せるものだと思う。開いた口が塞がらない。